イゴール・タナベ 代表(EMBRACE JIU-JITSU(エンブレイス ジュウジュツ))のインタビュー

EMBRACE JIU-JITSU(エンブレイス ジュウジュツ) イゴール・タナベ 代表

EMBRACE JIU-JITSU(エンブレイス ジュウジュツ) イゴール・タナベ 代表 (IGOR TANABE)

ブラジル・サンパウロ生まれ、三重県育ち。6歳から柔術を始め、国内外の大会で優勝を重ね、2023年からはRIZINに参戦。Embrace Jiu-Jitsuのヘッドコーチ兼共同創設者。

母がきっかけで始めたブラジリアン柔術

ブラジリアン柔術を始めたのは、6歳の頃。きっかけは、母のダイエットでした。知り合いから柔術の話を聞いた父に「お母さんと一緒にやりな」と言われて、母に引きずられるような感じで始めたんですよね(笑)。当時は、あまり深く考えてなかったですけど、とにかく楽しかった。一緒に習っていた友だちも、先生も、試合もすべてが楽しくて。もともと負けず嫌いな性格だったこともあって、自然とのめり込んでいきました。そして、早い段階から「柔術で世界チャンピオンになる」という夢を持つようになりました。それからは、その夢に向かってずっと走り続けてきたという感じです。人生をかけてきたというのも過言ではない気がします。今振り返って思うのは、それだけ長く続けれるものに出会えてよかったということ。子どものころは、それが自分にとって普通のことでしたが、それだけ夢中になれるものがあるというのは、実はすごいことなんだと改めて感じます。

ブラジリアン柔術を通じて笑顔を作りたい

自分は、2年ほど前まで現役選手としてRIZINで試合をしていました。ただ、病気が見つかったことで現役をいったん退くことになり、それまで追いかけていた目標を見失ってしまったんですよね。そこで、改めて考えるようになったのが「自分のためだけではなく、もっと人のために何かしたい」ということでした。選手というのは、すごく孤独なんです。もちろん応援してくれる人はいますが、最終的には自分と向き合うもの。その一方で、僕は昔から柔術を教えることも続けてきて、人が成長していくことや喜んでもらうことも好きだったんですよね。その気持ちがだんだんと強くなり、柔術を教えるジムを構えたいなと。それが、このEMBRACE JIU-JITSUをオープンするきっかけになりました。もちろん、このジムは自分自身の新たな挑戦でもあります。でも、今は自分のためだけでなく、柔術を通じて誰かが成長したり、喜んだりする姿を見ることにも大きな意味を感じています。

「格闘技は怖そう」を変えたい

ブラジリアン柔術や格闘技には、どうしても「怖そう」「強い人がやるもの」というイメージがありますよね。僕は、そのイメージを変えていきたい。このジムでは、3歳から柔術を始められますし、50代以上の会員さんもいらっしゃいます。男性だけでなく、女性にもぜひ来ていただきたいですね。女性の場合、男性と一緒に格闘技を始めることにハードルを感じる方もいると思います。そこで土曜日の午前中には、女性インストラクターが担当する女性クラスも設けています。女性同士で練習できれば、最初の一歩も踏み出しやすいのかなと。柔術は全身を使うので、運動不足を解消したい方や身体を動かしたい方にもぴったりです。

そして、柔術は一人ではできないスポーツです。必ず相手がいて、人とのつながりが生まれる。大人になると、仕事や家庭以外で新しい人と出会ったり、一緒に何かに夢中になったりできる場所は意外と少ないですよね。だからこそ、僕はこのジムが一つのコミュニティスペースになったらいいなと思っています。ただ柔術を練習するだけではなく、いろいろな人と話をして、少しリラックスして帰る。年齢や性別に関係なく、「ここに来ると居心地がいい」と感じてもらえる場所にしていきたいと思っています。

一人ひとりのペースで楽しく柔術を

大人の方は、仕事や家庭があるなかで練習に来てくださっているので、無理をさせて日常生活に支障が出たり、怪我につながったりすることはしたくありません。運動が初めての方もいれば、柔道などの格闘技経験を持つ方もいらっしゃいます。同じクラスで練習していても、それぞれが自分にとっていい練習ができるようメニューを考えています。僕が大切にしているのは、「理解して、実践して、成長する」ということ。技の形だけを覚えるのではなく、「なぜこの動きをするのか」という原理まで理解してもらいたい。そのうえで実際に使ってみて、自分のものにしていく。そういう指導を心掛けています。

子どもたちにも、柔術を通じていろいろな経験をしてほしいですね。練習では集中して相手と向き合いますし、試合に出れば緊張する中で新しい挑戦をすることになります。それは大人も同じですよね。年齢を重ねると、日常の中で思い切って何かに挑戦する機会は少なくなっていきます。柔術が、自分の慣れた世界から一歩外に出てみるきっかけになったらうれしいです。強くなることはもちろんですが、練習に来た時よりも笑顔になって、自信を持って、「今日も少し成長できた」と感じながら帰ってもらう。それが僕の理想です。

柔術をもっと身近なものに

子どもから大人まで、性別も国籍も関係なく、このジムが多くの人でにぎわえばいいなと思っています。RIZINでの試合を応援してくださっていた方が体験に来て、そのまま入会してくださることもありますが、これまで格闘技とは縁がなかったという方にも柔術の魅力を知ってもらいたいですね。「自分には無理そう」と思われるかもしれませんが、そこまでハードルが高いものではありませんから。無料体験も行っていますし、ぜひ気軽にいらしてください。そして、この場所から青葉区も盛り上げていきたいと思っています。身体を動かすことが気分転換になったり、ここで新しい人と知り合ったりする。そんな人が少しずつ増えて、このジムが地域のコミュニティになっていけばいいなと思っています。

今後、自分の病気の治療法が見つかれば、選手としてもう一度競技に復帰したいという気持ちもあります。挑戦を続けながら、生徒たちと一緒に成長していく。そんな姿を見せながら、柔術をもっと身近なものにしていきたいと思っています。

 

※上記記事は2026年9月に取材したものです。時間の経過による変化があることをご了承ください。

EMBRACE JIU-JITSU(エンブレイス ジュウジュツ) イゴール・タナベ 代表 (IGOR TANABE)

EMBRACE JIU-JITSU(エンブレイス ジュウジュツ) イゴール・タナベ 代表 (IGOR TANABE)

  • 出身地:ブラジル
  • 趣味・特技:柔術、サッカー観戦、家族と一緒にいること
  • よく読む本・愛読書:聖書
  • 好きな映画:『2万3000の命』(23 000 Leben)
  • 好きな音楽:邦楽だと湘南乃風
  • 好きな場所:自分の家とジム

INFORMATION

EMBRACE JIU-JITSU(エンブレイス ジュウジュツ)

電話 070-5510-7694
所在地横浜市青葉区つつじが丘24-23
最寄駅青葉台駅 徒歩8分、田奈駅 約1.3km、藤が丘駅 約1.4km
営業時間火曜・水曜・木曜・金曜・土曜・日曜
定休日月曜日
ジャンル その他[学ぶ]