末岡 志保美 支部責任者(IAIDO STUDIO YOKOHAMA (イアイドウ スタジオ ヨコハマ))のインタビュー

IAIDO STUDIO YOKOHAMA (イアイドウ スタジオ ヨコハマ) 末岡 志保美 支部責任者

IAIDO STUDIO YOKOHAMA (イアイドウ スタジオ ヨコハマ) 末岡 志保美 支部責任者 (SHIHOMI SUEOKA)

東京都出身。新陰流協会準師範。横浜国立大学教育学部に在学中に居合道を始め、若くしてよみうりカルチャースクール「居合道入門」講師に就任。さまざまな形で居合道の魅力を発信している。

居合道は「自分を鍛える」ための武道

IAIDO STUDIO YOKOHAMAは、新陰流協会という武道団体が運営している道場です。簡単に言うと、居合道は刀を使って体の使い方や精神を学ぶ武道。刀を抜いて、構えて、斬り、そして納める。その一連の動きを「型」として繰り返しながら、自分自身の動きを見つめていく稽古を行っています。また、相手をつけて行う剣術の稽古もあり、実践的な動きも含めて学んでいきます。
武道というと、試合もあると思う方もいらっしゃるかと思いますが、私たちの学ぶ居合道では基本的には試合は行いません。もちろん武道なので、相手に勝つことを目指しはしますが、目先の勝敗には重きをおかず、どんな相手でも勝てる技や心を育むことを目標にします。勝つことは、あくまでも結果。そこにとらわれず一生を通じて自分を修行し、高めていくことを大事にしているんです
また、刀を使う武道というと斬り合うイメージを持たれる方も多いと思いますが、本来はそうではありません。“鞘の内”という言葉があるように、できる限り争わずに収めることも、武士の精神として大切にされてきたもの。鍛えた技をむやみに使うのではなく、使わずに済ませる。その考え方も、居合道の重要な部分だと思っています。

剣の道に惹かれ「居合道」と出会うまで

私が最初に剣の道に触れたのは、学生時代に始めた剣道でした。現代の剣道は竹刀を使った競技として発展しているので、そこからさらに刀の扱いや昔の剣豪たちがどんな思いで剣に向き合っていたのかを学ぶのには「居合道がいい」と教えていただいて。それが居合道を始めるきっかけになりました。
もともと剣豪や武将という存在に、どこか惹かれるものがあったんですよね。当時は理由をうまく言葉にできなかったんですけど、今振り返ると自分を鍛えて変えていく。己を乗り越えて目指すものに向かって進んでいく姿にかっこよさを感じていたのかなと。そんな彼らが歩んでいた剣の道に触れられるのが居合道。どういう想いで剣を振っていたのか、どんな精神で向き合ってきたのか。そういった精神性を感じられる部分に大きな魅力を感じています。

年齢や運動経験を問わず、自分のペースで学べる道場

小さいお子さんだと4〜5歳くらいから、上は90歳近い方までと、本当に幅広い方が居合道を習いにいらっしゃっています。居合道の魅力の一つは、年齢に関係なく続けられること。瞬発力や体力だけに頼るものではないので、年齢を重ねても技術や感覚を磨いていくことができるんですよね。また、相手と激しくぶつかり合うことを前提にした稽古ではないので、無理なく続けられるのも特徴です。
こちらでは、通常のクラス稽古に加えて、一対一や少人数で行う個人稽古も行っています。個人稽古は、遠方から深く学びたいと来てくださる方や、クラスのなかで分からなかった部分をじっくり確認したいという方などに利用していただいています。体力に不安がある方や、大人数の中だと少し緊張してしまう方なども、個人稽古であればその方のペースに合わせて進められるので、安心して始めていただけると思います。実際、運動経験がまったくない方も多くいらっしゃいます。むしろ、他のスポーツ経験が少ない方のほうが、余計な力みがなく自然に動きを覚えやすかったりするんですよね。稽古を続けるうちに体幹や柔軟性が身についていくので、「まずは気軽に始める」という感覚で来ていただけたらうれしいです。

子どもたちに伝えたい「人と調和する力」

集中力が増すなど、居合道から得られるものは多くありますが、お子さんへの指導では“人との関わり”を特に大切にしています。居合道では、周りを見ることがとても重要です。特に相手をつけた稽古では、「相手がどう動こうとしているのか」「何を考えているのか」を想像しながら動いていきます。自分のことだけを考えていては成り立たないんですね。そうした経験は、稽古だけではなく、普段の人との関わり方にもつながっていくと思っています。私は「和する」ということをすごく大切にしていますが、居合道を通して、人と調和しながら関わっていくことを子どもたちにも学んでほしい。他人に対して、「自分とは関係ない」ではなく、「何を考えているんだろう」「困っていることはないかな」と想像できる力を育んでほしいなと思っています。

日本の精神文化を地域とともに伝えていきたい

指導するうえでは、“無理をしないこと”も大事にしています。「無理」という言葉は“理が無い”と書きますが、本当にその通りで、どこかに偏った使い方をすると、必ず負担になってしまうんですよね。自分にとって自然で無理のない状態を知っていただけるような指導を心がけています。また、刀は自分の体の延長のようなもの。最初は刀を持たずに体の使い方だけを練習したり、必要に応じて柔軟を取り入れたりしながら、段階的に学べるようにも工夫しています。
今後は、この場所を拠点にしながら、日本の武道や精神文化をさらに広く伝えていきたいと思っています。オンラインでは関東以外の方、海外の方にも指導を行っていますが、九州や北海道から道場へ来てくださる方も。普段はオンラインで学び、実際にここで相手をつけた稽古を体験し、またそれを持ち帰って学んでいく。そんな形で広がりが生まれています。この地域でも、学校や地域のお祭りで演武を披露したり、体験会を開催したりして、もっと気軽に居合道に触れていただける機会を作っていきたいですね。居合道はまだ馴染みの少ない武道かもしれません。でも、本来は日本人の暮らしや精神に深く根付いていた文化でもあります。ぜひ気軽に足を運んでいただけたら嬉しいです。

 

※上記記事は2026年5月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

 

IAIDO STUDIO YOKOHAMA (イアイドウ スタジオ ヨコハマ) 末岡 志保美 支部責任者 (SHIHOMI SUEOKA)

IAIDO STUDIO YOKOHAMA (イアイドウ スタジオ ヨコハマ) 末岡 志保美 支部責任者 (SHIHOMI SUEOKA)

  • 出身地:東京都中野区
  • 趣味・特技:体を動かすこと、登山
  • よく読む本・愛読書:新陰流の先人である柳生宗矩の「兵法家伝書」
  • 好きな映画:『宮本武蔵』
  • 好きな言葉:「朝鍛夕練」
  • 好きな音楽:LiSA
  • 好きな場所:鎌倉

INFORMATION

IAIDO STUDIO YOKOHAMA (イアイドウ スタジオ ヨコハマ)

所在地六角橋2-34 リブゼ白楽101
最寄駅白楽駅 徒歩8分、東白楽駅 徒歩11分、岸根公園駅 約1.3km
営業時間11:00~18:00
定休日月曜・火曜
ジャンル 武道・格闘技