酵素風呂 和光 飯山 吉章 代表 (YOSHIAKI IIYAMA)
『東京実業高校』を卒業後、家業の運送・製氷業に従事。約30年前、縁から酵素風呂と出会い、横浜市鶴見区栄町通に『天然酵素風呂 和光』を開業し今に至る。(JR川崎駅 バス 鶴見総合高校前 下車 徒歩7分 JR鶴見駅・京急鶴見駅 横浜市営バス 向井町2丁目 下車 徒歩5分)
車の振動と氷の冷たさが、健康への目を開かせた

私が生まれ育ったのは、横浜市鶴見区栄町通です。高校を卒業してからは、家業の運送会社と製氷会社を手伝い、集配の仕事や工場での氷づくりに明け暮れていました。毎日冷凍倉庫を出入りする生活ですから、体はいつも芯から冷えきっていた。冬場はもちろん、真夏でもお腹を触ると冷たくて、内臓から冷えていたんだと今ならわかります。そんな環境のなかで、自分のからだの状態には自然と敏感になっていきました。この地で生まれ、この地で仕事をしてきたことが、今の店づくりの根っこにあります。鶴見は住めば都で、人の温かさが土台にある町だと今も感じています。転機になったのは、約30年前のことです。当時お世話になっていた税理士の先生から酵素風呂を紹介していただき、興味を持って体験しに行きました。60度以上の熱で包まれているのに、いつの間にか眠り込んでしまっていたんです。「熱いのに眠れる」という不思議な感覚に、からだがどこかで休息を求めていたことを実感しました。ちょうどそのころ、隣地に土地を貸していた水産加工所が廃業することになり、土地の活用を考えていたタイミングでした。「だったらやってみよう」と深く考えすぎず踏み出したのが始まりです。父が事故で体を壊した時期とも重なっており、酵素風呂の力を身近で感じたことが、背中を強く押してくれた出来事でした。
「発酵が良ければ熱くなる」。特許技術に込めた酵素への探求
最初は師匠のところから材料を仕入れて運営していましたが、酵素の世界に深く入っていくうちに「自分で作れるようになりたい」という気持ちが強まっていきました。研究を重ねるなかでコロナ禍に時間が生まれ、給付金も活用しながら酵素を発酵・加温する工程の技術を確立し、特許の取得へとつながっています。材料を仕入れる側から、技術を持つ側へ。その転換が、今のうちの軸です。お客様からよく「温度が高い、熱い」とおっしゃっていただきます。それは発酵がしっかり進んでいる証拠です。「熱さ=酵素の強さ」が私の考えで、発酵の状態こそが品質の指標だと捉えています。取得した特許はうちの一つのブランドであり、「濱酵素」という登録商標とともに、鶴見から酵素の良さを広めていきたいという想いの象徴でもあります。酵素は何千種類もある中で、「天然酵素風呂 和光のやり方」という意味での特許です。よそにはない発酵の深みを、これからも磨き続けていきたいと思っています。良いものを丁寧に続ける、それが私たちのやり方です。お客様にも、スタッフにも、そう伝え続けていきたい。酵素はただの健康法ではなく、自分のからだと向き合うきっかけになると思っています。その入口に、うちの酵素風呂がなれたら、それが願いです。
砂場のようなお風呂と、ラドンの蒸気。ふたつの温浴が織りなす体験

当店の酵素風呂は、1人ずつ入る箱型ではなく、横に並んで6人ほどが入れる広い砂場のような形式です。スコップで掘って埋めるスタイルで、九州・指宿の砂風呂に近い入り方といえば伝わるでしょうか。ご夫婦や友人同士で隣に並んで入れるので、仲間での来店も多く、男女どちらのお客様も利用できます。女性専用の酵素風呂店が多いなかで、家族や気の合う仲間でゆったり入れると喜んでいただいています。一方で、ゆっくり自分のリズムで過ごしたいと1人でいらっしゃる方も半数近くいて、どちらも歓迎です。もうひとつの柱が「ラドンミスト温浴」です。欧州・バドガシュタイン産の鉱石を敷いたボックスの中で、セラミックを通したラドンを含む水蒸気を吸いながら岩盤の熱で温まります。岡山大学の研究キットも採用しており、鳥取の三朝温泉や秋田の玉川温泉に代表されるホルミシス効果。微量の放射線が体に良い影響をもたらすとされる考え方を取り入れた設備です。10分ほどで汗をかき、細胞が活性化されていく感覚があります。15年ほど前に整体の先生に紹介していただいて以来、酵素風呂と並ぶ二本柱として今に至ります。酵素風呂とラドンミスト温浴、両方を体感することで相乗的な効果を実感してくださるお客様も多いです。からだが変わってくるのを感じながら、通い続けてくれる方がいる。それが何より嬉しいことです。
「続けられる値段」で届ける。地味な積み重ねが、健康をつくる
酵素風呂は1回で答えが出るものではありません。からだを壊すのに時間がかかったように、回復にも時間が要る。続けることが大切だからこそ、開業当初からどこよりも手の届きやすい価格設定にこだわってきました。高度な技術よりも、続けられる環境をつくることが健康への近道だと、長年この仕事を続けるなかで実感してきたことです。値段の話をすると地味に聞こえるかもしれませんが、それがいちばん大切なこと。今もそこだけは、ぶれずにやり続けてきました。
横須賀など遠方からご夫婦で車でいらっしゃる方もいます。整体や個別ケアをされている先生が、自分のからだを整えるために通ってくださり、そこから口コミで健康意識の高いお客様が増えていくこともあります。「便秘が解消した」「代謝が上がった」という声をいただくこともありますが、それは特別な技術の結果というより、毎日の食事と同じ地味な積み重ねの結果です。健康意識の高い方ほど、少しずつのからだの変化に気づいてくれる。私たちスタッフは、自然の恵みを受けに来た方に気持ちよく帰っていただく立場。そんな声が、続けていく原動力です。
鶴見の酵素として、地域とともに歩み続けていきたい
就労支援B型事業所を併設しており、10名の利用者さんが掃除・洗濯・近くの東漸寺への定期清掃などを通じて地域に根ざした活動に取り組んでいます。隣の氷屋さんの施設外就労として氷の加工を手伝う方もいて、昔からの家業と今の仕事がつながっているのは、不思議な縁だと感じます。鶴見で生まれ育ち、この場所で商売を続けながら、地域に貢献できる仕組みを自然とつくってこられたことは、素直に嬉しいことです。それぞれが自分のペースで関わりながら、地域とつながっていく。そんな場所でありたいと思っています。今後については、とある会社の社長さんと当店の特許技術を活かした商品開発の話が進んでいます。日本の酵素や発酵物は海外でも注目されており、製造は会社側が担い、私たちは技術を提供する立場で携わる予定です。「濱酵素」を掲げ、鶴見の酵素としてこれからも発信していきたい。続けることで健康につながる。そのことを、この場所から伝え続けていきたいです。時代とともに街の景色は変わっても、人と人との繋がりが濃いのが鶴見の良いところです。下町の人情と口コミで成り立ってきた部分が大きく、紹介で来てくださる方が今も多い。「ここに来ると落ち着く」と言ってもらえるうちは、この仕事を続けていける気がします。それだけで十分です。鶴見で生まれ、鶴見で続けてきた。その誇りを持って、これからもこの場所に立ち続けていきたいと思っています。
※上記記事は2026年5月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

酵素風呂 和光 飯山 吉章 代表 (YOSHIAKI IIYAMA)
酵素風呂 和光 飯山 吉章 代表 (YOSHIAKI IIYAMA)
- 出身地:横浜市鶴見区
- 趣味:ゴルフ
- 好きな場所:大阪府・石川県
- 好きな音楽:幅広く

