ベトナムサンドバインミー専門キッチンカー 綿貫 展久 オーナー (NOBUHISA WATANUKI)
神奈川県横浜市出身。上星川を拠点に、地域のお祭りやイベントに出店しているベトナムサンドバインミー専門キッチンカー BANDSとVTNキッチン BANDS 西谷店のオーナー。
建設業から始まった、バインミーのキッチンカー

もともと私は建設業をやっていまして、その仕事を通じて12年ほど前からベトナムとのつながりができました。技能実習生の雇用などの関係で、年に1〜2回ベトナムに行くようになったんです。最初は、ベトナムで日本食のレストランでも開けたらいいな、なんて考えていた時期もあったんですが、コロナ禍で状況が一変。日本でできることを考えていたときに、コロナ禍でテイクアウトが主流になったこともあって「キッチンカーでバインミーを出してみよう」と思ったんです。自社倉庫と駐車場があった場所を改装し、簡単なイートインスペースを併設してスタートしました。上星川周辺にはベトナムの方も多く住んでいて、彼らにとっては故郷の味、日本の方にとっては新しい出会いの場になるんじゃないかと。実際に、高齢の方が「バインミーって何?」と買いに来てくださったり、月に1度上星川に来るときの楽しみと言ってくださったり。残念ながら諸事情により、上星川での常設店舗はクローズ中ですが、「もうやっていないの?」と聞きにくださる方もいて、ありがたいなと思っています。
地元とつながるキッチンカー、広がるイベント出店
現在は、キッチンカーでの出店をメインに活動しています。近隣の団地のお祭りや医療施設、老人ホームのイベントなど、声をかけていただく機会も増えています。今年は代々木公園で開かれたベトナムフェスティバルにも出店しました。また、西谷には一品料理を中心としたベトナム料理店「VTNキッチン BANDS 西谷店」もオープンしました。東京方面からも食べに来てくださるお客様もいて、キッチンカーと店舗を行き来しながら、つながりが広がっていくのを実感しています。
南ベトナム・ホーチミンの味を、横浜に

当店の料理の特徴は、南部・ホーチミンのベトナム料理です。日本では北部ハノイの料理が多いのですが、ベトナム出身の方が言うには、ハノイは塩味で辛い。それに比べると、ホーチミンの味付けはココナッツミルクやピーナッツなどを使った甘めの味が特徴。近隣のタイやカンボジアに近い影響もあるのかなと思います。
また、ハラール肉にも対応しています。団地の出店時に、イスラム教徒の方から「お肉は何ですか?」と聞かれたのがきっかけで、鶏肉・牛肉はすべてハラール対応のものを使うようになりました。ベトナム料理でここまで対応しているところは、日本では珍しいと思います。ただ、ハラール肉は種類が限られていて、正直、日本人が慣れ親しんだ“柔らかくて脂ののったお肉”とは違うんですよね。だからこそ、調理の工夫や味つけが大事。いかに美味しく仕上げられるか、そこは日々チャレンジですね。
現地の流行をいち早くキャッチ、焼きそばやフーティオも
毎年ベトナムに行っていますが、現地で今流行っている料理をチェックして食べ歩くのも習慣になっています。例えば、大久保や渋谷には新しい韓国料理がどんどんオープンするじゃないですか。それと同じような感じでホーチミンで今流行っているものを提供したいなと。「これ、日本でも受けるんじゃないか?」と感じたものは、現地でレシピを聞き、帰国後にそれを再現できるよう試行錯誤を繰り返しています。例えば、ホーチミンで出会った豚骨スープのフーティオ。日本の豚骨とは違ってとてもさっぱりしていて美味しかったんですが、日本ではそれ専用の麺が手に入らなかったんです。現地で大量に買い込んで、今は西谷のお店で1日5食限定で提供しています。
そして、もう1つが焼きそば。ベトナムには焼きそばという概念がないので、これもいろいろ試行錯誤しながらベトナムの味付けの焼きそばを作ったんですよね。それを代々木のベトナムフェスで出したら、大人気。初めは売れなかったんですが、偶然うちの焼きそばを食べてくれた方が「これ美味しい」と口コミしてくれたことをきっかけに、翌日は大行列。1時間待ちの大人気となり、用意していた分がすべて完売しました。
他にも、現地で流行中のチャゾーなどもイベントで出してみたところ、予想以上の反響がありました。これからはスイーツやパンケーキなど、まだ知られていないベトナムの“美味しい”をもっと届けていきたいですね。
地元とつながり、にぎわいを取り戻す拠点に
西谷のお店には、90歳近いお年寄りから小さなお子さん連れのご家族まで、さまざまな方がいらっしゃいます。東南アジアのなかでは一番食べやすいのがベトナム料理。意外とパクチーも子どもたちが食べてくれるんですよね。バインミーのパンは、地元・上星川のバニヤンツリーさんにお願いして焼いていただいています。パンが美味しいと、やっぱりバインミーもぐっと美味しくなる。地域とのつながりで成り立っているお店だと思っています。今はキッチンカーを運転できるのが私だけなので、いずれはスタッフを増やして上星川のイートインスペースも再オープンできたらと思っています。
相鉄沿線って、昔は本当に商店街がにぎやかだったんです。いまは少し寂しくなっていますが、もう一度人が集まる場所をつくりたい。お祭りやイベントにキッチンカーで出店することも増えてきましたし、これからも地域のにぎわいに貢献していきたいと思っています。
※上記記事は2025年6月に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。

ベトナムサンドバインミー専門キッチンカー 綿貫 展久 オーナー (NOBUHISA WATANUKI)
ベトナムサンドバインミー専門キッチンカー 綿貫 展久 オーナー (NOBUHISA WATANUKI)
- 出身地:神奈川県横浜市
- 趣味・特技:車やオートバイ、ゴルフ
- よく読む本・愛読書:歴史小説
- 好きな言葉:努力
- 好きな音楽:久保田利伸、サザンオールスターズ、Mr.Children
- 好きな場所:自然が多いところ

