野庭歯科診療所 岩白 均 院長 (HITOSHI IWASHIRO)
1989年に『城西歯科大学』を卒業後、1990年より『野庭歯科診療所』に勤務。1998年に『医療法人社団野庭歯科診療所』の理事長に就任し、2代目として義理の父から診療所を継承。現在に至る。(京浜東北線港南台駅 南口 バス12分)
歯科医師への道と向き合う現場の現実

私は『城西歯科大学』の出身です。歯科医師を目指したきっかけについてよく聞かれますが、実は特別なエピソードがあったわけではありません。親族に歯科医師がいて、違う家ではありましたが小さい頃からその姿を見ていたので、自然と選択肢として浮かんできた形です。身近にその職業があったことで、この道を選びやすい環境にあったのかもしれませんね。私は歯科医師として働く中で、口腔の機能回復という点では大きな意味を感じています。患者さんがしっかり噛めるようになり、食事を楽しめるようになる姿を見ることは、やりがいのひとつです。開業医は歯科医師でありながら経営も担っています。材料費や従業員確保などと時代によって様々な状況はありますが、地域の方の健康に寄与できるように頑張っております。
野庭で半世紀近く続く地域の歯科診療所
当院は1978年の開院以来、この野庭の地で診療を続けています。私は2代目で、義理の父から継承しました。診療所としては、もう46年から50年ほどの歴史があります。野庭は環境が良く、皆さん優しい方ばかりです。かつては中央からこの団地に移ってこられた方も多く、「住みやすい場所」だとよく言われています。患者さんの8割は近隣の団地に住む方々で、そのうちのさらに8割、つまり全体の6から7割ほどが75歳以上の高齢者です。高齢化が進んでいる地域ですので、入れ歯や歯周病に関するご相談が多いのが現状です。ただ、地域の変化も肌で感じています。以前は子供たちの元気な声が響いていた公園も、今は静まり返っています。かつて生徒たちの活気であふれていた高校も、少子化の波に飲まれて閉校となり、県の関係施設になりました。この近くには内科や産婦人科もあり、当院とも連携していましたが、今はそれらも閉院してしまいました。地域医療を支える仲間が減っていくのは、寂しいものですがこれも時代の流れだと感じています。
優しく丁寧を貫く診療モットー

診療において私が最も大切にしているのは、とにかく「優しく丁寧」であることです。会話においても、実際の治療においても、その一点に尽きます。患者さんは何らかの不安や痛みを抱えて来院されますから、その気持ちに寄り添い、丁寧に説明し、優しく接することを心がけています。スタッフも同じ理念を共有してくれています。現在、衛生士が1名、助手が4名おり、さらに非常勤で女性の歯科医師が1名手伝いに来てくれているので、計2名の歯科医師体制で診療しています。皆で「優しく丁寧」をモットーに、患者さん一人ひとりに向き合っています。
安定剤に頼らない入れ歯作りへのこだわり
私が特に力を入れているのは、義歯、つまり入れ歯の治療です。最近は「歯を抜かない」治療が主流ですが、歯周病でグラグラになった歯を無理に残し続けると、実は問題が起きることがあります。それは、土台となる顎の骨、いわゆる顎堤がどんどん痩せていってしまうということです。昔のように顎の骨がしっかり残っていれば良いのですが、骨が平らになってしまうと、入れ歯を安定させるための「引っかかり」がなくなり、吸着させることが非常に難しくなるのです。私がこだわっているのは、なるべく入れ歯安定剤を使わずに、吸着してしっかり噛める入れ歯を作ることです。安定剤はベタベタして気持ち悪いですし、何より食事の楽しみを損なってしまいます。患者さんには、できるだけ自分の入れ歯だけで美味しく食事をしていただきたいと考えています。そのため、一人ひとりのお口の状態をしっかりと把握し、精密な入れ歯作りを心がけています。顎の骨の状態は患者さんによって大きく異なりますので、それぞれに合わせた細かな調整が必要です。
地域の成長を見守る喜びと温かい交流
長く診療を続けてきて、印象深いことが数多くあります。小さい頃に診ていた子が大学生になり、やがて結婚して自分の子供を連れてきてくれる。「あれ?この前まで子供だったのにもうそんなに時が経ったのか」。そうした成長過程を長年にわたって見守れるのは、この地域で診療を続けてきたからこそですね。親子三世代で通ってくださるご家族もいらっしゃいます。地域の方との距離が近いと感じることも多くあります。スーパーへ買い物に行くと、こちらはマスクをしているのに患者さんに気づいて声をかけられることがあります。一番驚いたのは、スパで裸の時に声をかけられたことですね。「先生、お背中流しましょうか」(笑)。それだけ親密に思っていただけているのはありがたいことです。そんな気さくに関わってくれる地域の方には、とにかくお困りのことがあればいつでも来てください。スーパーでもスパでも、どこで会っても気軽に声をかけてください。そして、お口のことで少しでも気になることがあれば、遠慮なく当院へ足を運んでいただければと思います。私たちは、この野庭でこれからも皆さんのお口の健康を守り続けます。
※上記記事は2026年2月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

野庭歯科診療所 岩白 均 院長 (HITOSHI IWASHIRO)
野庭歯科診療所 岩白 均 院長 (HITOSHI IWASHIRO)
- 出身地:富山県
- 趣味:テニス
- 好きな場所:海が見える場所
- 好きな音楽:『吉田拓郎』、『井上陽水』
- 好きな映画:『チャップリン』
- 好きな言葉:『優しく丁寧に』

