浅野歯科医院 浅野 倉栄 院長 (SOEI ASANO)
『鶴見大学歯学部』卒業後、同大学院で学位取得。第一保存学教室助手を経て『医療法人財団共生会浅野歯科』を継承。『学校法人共生学園』理事長、『社会福祉法人みどり共生会』理事長を務める。(JR横浜線 鴨居駅南口 徒歩1分)
歯科医師という道へ。家業を継ぐという自然な流れ

私の家は、父も母も歯科医師、そして母方の祖父も歯科医師という、いわば歯科医師一家でした。正直にお話しすると若い頃に「どうしても歯科医師になりたい」という強烈な情熱があったわけではありません。ただ、自然と「この道を進むべきなんだろうな」と感じていました。実家が歯科医院を併設していたこともあり、幼少期から診療室は私の遊び場でした。小学校に上がる前などは、機材や材料に触れて遊んでいましたね。大学で専門的な勉強を始めた時、昔から見慣れていた機材が「実はこうやって使うものだったのか」と、改めて発見がありました。「こういう使い方はしてはいけないのか」という驚きも、今でも覚えています。大学卒業後は大学院に進学し、卒業後はその研究室に2年間在籍しました。その後こちらに戻り、歯科医師会に入会して学会活動を行いました。
大学での教職を経て、現在は歯科専門学校の経営、社会福祉法人の運営、訪問診療、そして自身の医院の経営と、多忙な日々を送っています。父とは4、5年ほど一緒に働きました。早めに引退したため、長く一緒にいたという記憶はあまりありません。親子で一緒に働くのは難しいという話も聞きますが、親と子では、受けてきた教育の時代が違います。考え方ややり方も当然異なるわけです。そこを合わせようと干渉し合うと必ずぶつかるので、お互いに干渉せずやっていました。
患者さんの本音をくみ取る「患者さんファースト」の診療理念
診療において、私が日頃から最も大切にしていることがあります。それは、患者さんが歯科医師である私を前にすると、緊張して言いたいことを100%伝えられていないのではないか、という点です。歯科衛生士などのスタッフに話す時と、私に話す時では緊張感が違うはずです。だからこそ、患者さんの本音をくみ取れるよう、時にはスタッフを介して話を聞くなど、言葉の裏にある思いを理解しようと努めています。昔から通ってくださる方も含め、皆さんが何かしらの我慢や不安を抱えているかもしれない。その意識を忘れないようにしています。医院としての方針を一言で言えば「患者さんファースト」です。歯科医師やスタッフ、実習生が中心ではなく、あくまで患者さんを中心に物事が回っている。そのことを、スタッフ全員に徹底して伝えています。スタッフは新卒から50代のベテランまで幅広く在籍しており、特にフレンドリーな事務長が全体をうまくまとめてくれています。
快適な診療環境へのこだわりと設備と配慮

設備面でも、患者さんの快適さを第一に考えています。プライバシーに配慮し、ユニットは半個室にしました。隣の患者さんの顔が見えないようにしたかったのと、お待たせする時間の苦痛を和らげるためにモニターを設置しています。また、現代の診療に欠かせないマイクロスコープ(顕微鏡)やCTなども完備しました。精度の高い治療を行える環境を整えています。これらの設備により、より正確な診断と丁寧な治療を提供できるようになりました。
継続的な学習が命を救う、印象に残るエピソード
この地域は、父の代からの患者さんも多く、年齢層は非常に高い傾向にあります。皆さん、歯科医師の話を非常によく聞いてくださる、真面目な方が多い印象です。これまでで特に印象に残っているエピソードがあります。定期的に参加している歯科医師会の講演会での知識が、思わぬ形で役立った事例です。ある時、患者さんがマスクを外された際に、顔に小さなしこりのようなできものがあることに気づきました。専門外ではありましたが、講演会で学んだ「異常な形や感触」の知識が頭にありました。触れてみると明らかにおかしい。すぐに皮膚科への受診を強く勧めました。その結果、それが皮膚がんであったことが分かったのです。非常に感謝されました。病院へ行く際は必ずマスクをしていたため、他の医師も気づかなかったようです。この経験から、日々の継続的な歯科医師会での学びがいつか誰かの役に立つのだと再認識しました。今ではお口の中だけでなく、お顔全体の変化にも常に気を配るようにしています。
これからの展望と地域の皆様へ
現在は歯科だけでなく、医科、薬科、介護関係の方々との密接な連携が求められる時代です。単に「つながっている」だけでなく、より頼り合える近い関係を築いていきたいと考えています。また、学校法人での活動を通じて、次世代を担う若い学生たちの教育にも、より一層力を入れていきたいです。年齢とともにモチベーションを維持するのは大変なことですが、環境の変化を刺激に、これからも一生懸命取り組んでいきたいと思います。「8020運動(80歳で20本の歯を残そう)」が1989年に始まって以来、80歳で20本以上の歯を持つ方は6割を超えました。皆さんの意識は大きく変わりましたが、まだお口の健康への関心が低い方もいらっしゃいます。ご自身の歯でおいしく食事をすることは、人生の幸福に直結します。私たちがサポートしますが、大切なのは日々のセルフケアです。楽しく幸せな生活を送るために、ぜひご自身のお口の中を大切にしてください。
※上記記事は2026年2月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

浅野歯科医院 浅野 倉栄 院長 (SOEI ASANO)
浅野歯科医院 浅野 倉栄 院長 (SOEI ASANO)
- 出身地:神奈川県横浜市
- 趣味:ゴルフ、サックス演奏
- 好きな場所:沖縄、京都、北海道、仙台
- 好きな音楽:ジャズ、ポップス
- 好きな映画:アクション
- 好きな本:フィクション
- 好きな音楽:一生懸命

