江口歯科医院 江口 良彦 院長 (YOSHIHIKO EGUCHI)
1974年に『神奈川歯科大学』卒業関東労災病院に5年間勤務。その後昭和1979年に現在の地で『江口歯科医院』を開業し今に至る。
金沢区での開業に至るまで

私は愛知県出身で、神奈川歯科大学を卒業後、関東労災病院に勤務し、主に外科処置を担当していました。その後、ご縁があり金沢区六浦に開業することになりました。当時の六浦は、横須賀の活気ある時代の影響を受け、日産や海軍関係の方々が多く住む地域でした。例えば、診療に訪れる患者さんの中には、造船所で働く方や軍関係者も多く、そのお子さんたちがいらしたりとしていました。出身の『神奈川歯科大学』はもともと海軍の機関学校だったのでその縁もありつながりを感じていました。現在は街の雰囲気も変わりましたが、開業以来、地域医療への貢献を意識しながら診療を続けています。
歯科医師を志したきっかけ
父が開業している歯科医師であったことから、幼い頃からその姿を見て育ちました。特に強制されることはなく、自然にこの道を志すようになりました。大学では口腔外科に興味を持ち、教授の勧めもあり関東労災病院に勤務。その頃はリクルート雑誌などはなく、教授や学生課の職員の方からの紹介で職場を決めるような状況だったのですが、当時は東名高速が完成していたので交通事故や労働災害による頭部・顔面外傷の治療に携わり、多くの手術経験を積めました。例えば、顎の骨折や歯の脱落といった重度の外傷の治療では、外科的処置の技術が求められました。こうした経験が、現在の診療にも活かされています。
開業医としての道を選んだ理由

病院勤務はやりがいがありましたが、子供が産まれて「家族との時間を大切にしたい。」「居を構えなければならない。」という思いや、子供の教育を考えた時に開業を決意しました。労災病院時代は転勤こそありませんでしたが、当時、携帯電話もなかったので常に病院へは自分の所在を報告し、連絡がとれる状況にしていました。入院している患者さんの容態変化や、鶴見事故といった災害事故時にすぐに駆けつけられるような配慮です。開業後はそのような働き方からは解放されましたが、地域の患者さんと長期的に向き合う責任の重さを実感しています。例えば、小さなお子さんが初めて来院し、虫歯治療をした後、成長して大人になっても通ってくれることもあります。こうした地域に根ざした関係性は、開業医ならではの魅力です。
江口歯科医院の診療方針
私は労災病院での経験を通じて学んだ「症例から未来を類推する」考え方を基にしています。患者さんが将来的にどうなるか。障害が残らないか。を類推して、症例を基に診療を進めます。やはり労災病院勤務の5年間は私にとって財産になっていますね。当院では現在、歯科医師が私の他に1名。衛生士が1名。助手が1名とパートさんが1名の私を含めた5人が在籍しています。スタッフも長年勤めてくれる方が多く、チームワークの良さが当院の強みです。例えば、受付スタッフが患者さんの不安を和らげるよう心掛けることで、診療がスムーズに進み、リラックスした状態で治療を受けてもらえるよう努めています。また一同歴が長いので電子カルテやマイナンバー対応など、新しい技術の導入も苦なく取り組めました。過去のCTやレセコンが導入された経験が大いに活かされており、そこについていける人材が揃っていることは医院として頼もしく感じています。
地域の皆さまへ 〜加齢は退化ではなく進化〜
私たちは加齢を「衰え」と捉えがちですが、実は「進化」でもあると私は考えています。年齢を重ねることで、経験や知恵が蓄積され、より自分に合った健康管理ができるようになるからです。かつては、高齢になると自然に歯が抜けていくのは当たり前とされていました。しかし今では、80代・90代でも多くの方が自分の歯を保っていらっしゃいます。これは保健所での3歳児検診など地域の取り組み、そして親御さん方の努力の賜物です。こうした基盤の上に、日々のケアと予防の習慣が積み重なっています。歯が残っていれば、しっかりと噛んで食事をとれます。噛むという行為は、唾液の分泌を促し、胃液や消化酵素の働きも助けます。反対に、噛めない状態が続くと、嚥下機能の低下、消化不良、そして栄養不足など、体全体に影響が及びます。歯は健康の入り口です。最初のステップでつまずくと、全身の健康サイクルが崩れてしまうのです。
また、口腔内は体内の無菌世界と外部の細菌世界の境界にある、非常に重要な器官です。特に歯は、唯一この境界に直接関わる臓器です。呼吸器とも密接につながっており、状態が不安定だと様々なリスクを伴います。だからこそ、しっかりと噛める状態を維持することが、健康寿命の延伸にもつながります。当院には、メンテナンスを目的に来院される高齢の方が多くいらっしゃいます。「今の状態をできるだけ良く保ちたい」という前向きな思いが伝わってきます。高齢者の口腔内の変化を記録し、未来への知見として活かすことも、私たち医療従事者の使命だと感じています。8020運動(80歳で20本以上の歯を保つ目標)を達成する方も増えています。これは、まさに皆さんが年齢を重ねるごとに歯や健康に対する意識を高め、進化している証拠です。年齢を重ねた今だからこそ、自身の体と向き合い、さらに健康で豊かな人生を送れます。加齢は断捨離ではなく、成長。経験を重ねた今だからこそ得られる力がある。また地域には大きな病院が多くありたくさんの科があります。総合病院がすぐ近くにあることはとても皆さんにはメリットだと感じています。これからも、地域の皆さまが安心して健やかに歳を重ねていけるよう、私たちも全力でサポートしていきたいと考えています。
※上記記事は2025年4月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

江口歯科医院 江口 良彦 院長 (YOSHIHIKO EGUCHI)
江口歯科医院 江口 良彦 院長 (YOSHIHIKO EGUCHI)
- 出身地:愛知県
- 趣味:登山
- 好きな場所:奥穂高岳
- 好きな本:理系の本
- 好きな言葉:「人間万事塞翁が馬」

