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中村 慎 院長(中村歯科クリニック)のインタビュー

中村歯科クリニック 中村 慎 院長

中村歯科クリニック 中村 慎 院長 (MAKOTO NAKAMURA)

1984年に『日本歯科大学』卒業。『町田市民病院口腔外科』、『鶴見大学歯学部』を経て、『横浜田園都市病院』で14年間勤務。2010年に『中村歯科クリニック』を開業し今に至る(東急田園都市線長津田駅南口 徒歩1分)。

「同じ骨大工だろ」予期せぬ出会いが導いた道

「同じ骨大工だろ」。整形外科の部長からそう言われた時、私は歯科医師としての新しい扉が開いたことを感じました。1984年、『日本歯科大学』を卒業した私は、町田市民病院で予想外のキャリアをスタートさせることになります。実は国家試験の結果発表まで進路が決まっておらず、スキー場の旅館で居候していたんです。合格の知らせを受けて慌てて就職先を探していた時、学生時代の麻酔科の恩師から「うちに来ないか」と声をかけていただきました。『町田市民病院』では、口腔外科だけでなく整形外科でも3カ月ほど研修することになりました。「なぜ歯科医なのに?」と不思議でしたが、冒頭の「骨大工」という言葉で納得したんです。その後、麻酔科でも300〜400例を経験させていただき、全身管理について多くを学びました。『鶴見大学口腔外科』に移局後は、関連病院の立ち上げなど約10年間勤務しました。さらなる異動を打診された時、「それなら開業しよう」と決意しましたが、かつて指導していた歯科衛生士から連絡があり、横浜田園調布病院の歯科外来を引き継ぐことになりました。そこで14年間勤務し、約15年前に現在のクリニックを開業しています。振り返ると、私のキャリアは全て出会いと縁で成り立っています。深く悩んで決断したことはほとんどなく、その時々のご縁に導かれてきました。

75%という衝撃の数字

横浜田園調布病院での14年間、私の歯科医師としての視点を大きく変える出来事がありました。それは、摂食嚥下障害を持つ患者さんとの出会いです。当時、高齢の入院患者さんが転倒や肺炎で亡くなるケースが多く、その原因の一つが誤嚥性肺炎だと知りました。ある時、375床の病院で半年かけて調査した結果は衝撃的でした。4人に3人。つまり75%の入院患者さんに誤嚥の兆候があったのです。学生時代にお世話になった内科の先生から、「口腔内を清潔にすると肺炎のリスクが減る」という論文を見せられた時、最初は半信半疑でした。しかし、その先生を信頼していたので、実際に重症の方へ徹底的な口腔ケアを試みました。1週間ほど続けると、頻繁に発熱していた方が熱を出さなくなったんです。この成果は患者さんの命を守るだけでなく、病棟スタッフの負担軽減にもつながりました。肺炎になると1時間ごとのバイタルチェックが必要になり、看護師や介護士は休む暇もありません。口腔ケアで予防できれば、医療現場全体が変わります。評判が広がり、他の病棟からも依頼が来るようになりました。病院全体で1日3回の口腔ケアを実施する体制を作るまでに7年半かかりましたが、今、あの時救えた命を思うと、その一歩一歩が確かな価値を持っていたと実感しています。

 

最期の食事まで、自分の歯で―生涯口腔管理という使命

当院のコンセプトは「生まれてから最期まで、口の健康を守り続けること」です。私は障害をお持ちの方も、お子さんも、高齢者も診療できます。先天的な障害、後天的な障害、どちらにも対応可能です。目指しているのは、現在の口腔状態を維持し、痛みなく自分の歯でしっかり噛める状態を保つこと。理想は「ピンピンコロリ」で、最期の食事まで自分の歯で美味しく食べられることです。これを実現できるのは歯科医師しかいません。研究データでも明らかになっています。口腔内が不潔な方や奥歯の噛み合わせがない方は、病気や認知症のリスクが高まります。介護保険制度開始後の大規模調査でも、介護状態の維持・改善に関係する要因は「口腔内の清潔さ」と「奥歯の噛み合わせ」の2つだけでした。高齢になると、痛みや入れ歯の不具合から柔らかいものばかり食べがちです。しかし、これは筋トレで重量を軽くするのと同じで、顎の力も消化機能も低下してしまいます。結果的に誤嚥性肺炎のリスクが高まるんです。硬いものを食べられる口を維持すること。そのための適切な治療と定期的なメンテナンスが、健康寿命を延ばす鍵だと考えています。

訪問診療という選択肢

当院では月曜日と水曜日に訪問診療を実施しています。月曜日は午前中、水曜日は午前午後と、地域の在宅療養中の方々のもとへお伺いしています。また、歯科医師会からの依頼で病院での口腔ケアや歯科治療も担当しています。港北区と緑区には、介護認定を受けている方が約2万人いらっしゃいます。しかし、訪問歯科診療を受けている方はその中でも一握り。まだまだ口腔ケアが届いていない方が多いのが現状です。最近は地域ケアプラザの会議にも参加しており、ケアマネージャーの方々からご紹介いただくケースも増えてきました。まだ歯科医師が地域で何ができるのか十分に知られていない面もあるので、「困ったことがあれば何でも相談してください」とお伝えしています。痛みがなくても大丈夫です。「おじいちゃん、おばあちゃんの口の状態を見てほしい」という健診目的の訪問も歓迎しています。早めのケアで噛める口を維持できますので、症状が悪化する前にぜひご相談ください。セカンドオピニオンにも対応しています。

 

この街とともに歩む

長津田は本当に魅力的な街です。神奈川県と東京都の境に位置し、横浜線、東急田園都市線、こどもの国線の3線が乗り入れる交通の要所。渋谷や大手町まで30〜35分という利便性がありながら、周辺エリアと比べて住宅コストを抑えられます。この地域は江戸時代の「大山街道」の宿場町「長津田宿」として栄えた歴史があります。今でも石碑が残り、古くからの畑も多く、緑豊かな環境が残っています。便利さと自然が共存する、珍しい場所なんです。近年は若い世代が増加しています。地域ケアプラザの会議でも、長津田地区は神奈川県内で最も若年層が増えている地域の一つだと聞きました。都心へのアクセスが良く、自然も豊かで、子育て世代にとって理想的な環境だと思います。私はこの地域に住む皆さん全員の口の健康相談に乗りたいと考えています。口腔ケアはもちろん、摂食嚥下に長年取り組んできた経験から、お子さんの成長過程での食事についてもアドバイスできます。「先生、おかげで美味しくご飯が食べられます」。この言葉が、私にとって最高のご褒美です。困ったことがあったら、どんな小さなことでもご相談ください。長津田で暮らす皆さんが、生涯にわたって自分の歯で笑顔の食卓を囲めるよう、私は全力でサポートいたします。

 

※上記記事は2025年11月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

 

 

 

中村歯科クリニック 中村 慎 院長 (MAKOTO NAKAMURA)

中村歯科クリニック 中村 慎 院長 (MAKOTO NAKAMURA)

  • 出身地:東京都
  • 趣味:自転車、ダイビング、ヨット、釣り、キャンプ
  • 好きな場所:能登半島の突端にあるキャンプ場
  • 好きな音楽:音楽全般
  • 好きな映画:『トップガン』
  • 好きな本:新田次郎さんの山岳小説

INFORMATION

電話 045-532-3747
所在地長津田5-2-67
最寄駅長津田駅 徒歩2分、田奈駅 約1.3km、恩田駅 約2.0km
駐車場台 駐車スペースあり
診療時間[月・火・水・金]9:00~13:00 15:00~20:30
[土]9:00~13:00
定休日木曜・日曜・祝日
支払方法現金・クレジットカード
Web http://nakamura-dental.smafo.biz/
SNS
診療科目 歯科 小児歯科 歯科口腔外科 訪問歯科診療
特徴 一般歯科●小児歯科●口腔外科●審美歯科●予防歯科●虫歯●歯周病●ホワイトニング●義歯●インプラント●青を基調とした明るい診療室●ブラッシングスペース完備●駅から徒歩1分●訪問歯科も対応