原宿わたなべ歯科診察所 渡邉 仁史 院長 (HITOSHI WATNABE)
北里大学理学部化学科を卒業ののち、鶴見大学歯学部に編入し、卒業。鶴見大学附属病院で臨床研修を経て、埼玉医療生活協同組合皆野病院、歯科・口腔外科に出向。東海大学附属八王子病院 歯科・口腔外科の非常勤医師として勤務。並行して鶴見大学口腔微生物学講座(口腔ガンジダ症専門)で研究に邁進。川崎市内および藤沢市内歯科医院に勤務。2016年戸塚区原宿に「原宿わたなべ歯科診療所」を開業し現在に至る。
今日に至ってもなお、横浜薬科大学薬学部において、薬剤の適正使用に関わる研究に(研究生として)研鑽を重ねている。
歯科訪問診療に特化した診療所

原宿わたなべ歯科診療所は、ご自宅での歯科治療と内視鏡検査を通して患者さまの「LIFE(生命)とLIFE(生活)に寄り添う」ことを理念として心掛けています。
食事や医療、薬剤の管理がしっかりしている施設で生活されている方と、ご自宅で生活されている方では、食事内容や生活環境が大きく異なります。お一人での外出が困難な方では、継続的に歯科医院を受診することはとてもハードルが高いのではないでしょうか。私たちは主にご自宅で生活されている方を対象に、歯科訪問診療を行っております。
放置された虫歯、合わない義歯、歯の根だけが残っている歯茎、誤嚥性肺炎による入院などはありませんか?
ご自宅では歯科治療はできないと思っていませんか?
畳半分のスペースがあれば歯を削る機材を持参し、組み立てができます。抜歯や小さな手術もベッドや車いすのまま可能です。入れ歯の修理や製作、差し歯やブリッジも外来受診に準じて行えます。今の患者さまの環境の中で、その日の体調やご希望に合わせて最大限の歯科治療を行う数少ない歯科医院であると、当院は自負しております。
そして私たちが最も大切にしていることは「治療終了後に、安全に食事ができているか」を見届けることです。食事の飲み込みの様子を内視鏡を用いて確認し、誤嚥をせず最も安全にできる食事形態を提案します。
私たちは歯科訪問診療を通じて、患者さまが会話、食事を当たり前に楽しみ、社会生活に参加をし、人が人らしく生活することを支えたいと考えています。
「原因不明といわれた口腔内疾患」に向き合う
口腔カンジダ症は口腔内に「いて当たり前の微生物(常在微生物)」によって引き起こされる感染症です。健康時においてカンジダは口腔内バリアーの一部として感染症を防ぐ役割をしていますが、免疫力の低下や、口腔内の乾燥、特定の薬の組み合わせで唾液量が減少したときなどに口腔カンジダ症を発症することがあります。
放置しておけば、口から食べることが辛くなる摂食障害やバーニングマウス症候群の原因になり、口腔内の痛み、不快感を拭えません。
しかし検査には特殊な培地や顕微鏡検査が必要なため一般歯科医院ではあまり行われず、歯科医師の視診による判断と経験によって診断されます。したがって症状が明確でないと「原因不明」や「心因的な症状」と診断に至らないことがあるのです。当院では口腔カンジダ症の検査キットを常備しております。
口の中の違和感から会話や食事は徐々に困難になり、社会生活に支障をきたすことも考えられます。わたしが問題視しているのは、高齢者のなかでも、特に在宅の患者さまにとって非常に深刻な問題だということです。口腔内で解決しない問題があれば、一度ご相談いただきたく思います。
介護の負担を減らすための歯科治療

口腔ケアは呼吸器疾患(誤嚥性肺炎など)から患者さまを守る大切なケアであることは一般的なお話となっていますが、実際に要介護者への口腔ケアをするのは家族や介護従事者がほとんどです。
義歯の取り外しがうまくできない、折れた歯の根が残っていて汚れが取り切れない、揺れている歯があって清掃が怖いなど、第3者が誰かの口腔内を清潔に保つことは非常に難しいことだと思います。
私たちは抜歯や虫歯の治療を行うことで「口腔ケアをしやすくする」ことを明確な目的としています。慣れていないご家族でも時間をかけずに一定の状態に清掃できる環境を意図的に作り、介護の負担を減らしていきます。その結果口腔内の微生物の数が減り、誤嚥性肺炎を引き起こさない口腔内を作ります。義歯を作るときも、可能な限りシンプルな設計を行います。緊急時に救急搬送されても医師が簡単に外せる義歯の形にすることが、患者さまの命を守ります。
人が人らしく生きるために
ACP(アドバンス・ケア・プランニング)という言葉を知っていますか?
日本では「人生会議」と呼ばれています。その人の人生設計の一部で、人生の終末期を意識する前から「どのように生き、どのような最期を望んでいるのか」を“繰り返し”話し合い、“記録を残す”ことを言います。人の気持ちは常に変わるもの。この“心の揺らぎ”を医療・介護従事者が理解しようとする必要があるのです。
私たちは歯科とACPについて常に考えており、人が人らしく生き、人間らしく全うするためには歯科はどのように関われるのか、その人らしい人生の最期を迎えるために、医療、看護、介護、家族が協力して支援する取り組みについて考えています。訪問診療時に毎回一つで良いので私たちに話しかけてください。その積み重ねがお互いの理解につながります。
在宅訪問診療のいま
「原宿わたなべ歯科診療所」は、主にご自宅で生活されている患者さまを対象に、歯科訪問診療を行っています。急患対応はもちろんのこと、継続した予定診療を行います。治療内容や期間、料金もあらかじめご説明いたします。歯科医師、コーディネーター、歯科衛生士(もしくは歯科助手)の3人一組がチームになって、車4台体制で歯科訪問診療を毎日行っています。可能な限り、その日のうちに主訴を解決する基本方針を徹底しております。エリアは戸塚区、泉区、港南区を中心にご依頼を引き受けております。
専門職向け講演会、研修会もお引き受けします
“介護の負担を減らす歯科治療”を広めるために、介護事業所、訪問看護ステーション、病院にて講演会、研修会をお引き受けします。「摂食嚥下」、「口腔ケア」、「義歯の役割」など、実習も含めて各地で行っています。近年は言語聴覚士とともに開催する嚥下リハに関わる研修も好評です。
講演は神奈川、北海道、石川、新潟など、地域ごとに反応が異なるのも非常に興味深いと感じます。こちらもご希望に沿って準備しますのでご相談ください。ケアマネジャー、看護師、ヘルパーなどからの依頼が一番多い印象ですが、歯科医師会での講演が一番ヒートアップしますね。
日本の先進的な歯科医療を世界に
私はいまも横浜薬科大学の大学院生として薬剤の多剤併用(ポリファーマシー)と口腔内の関係についての研究をし、成果を全国の学会に発表しています。その先にある、日本の先進的な歯科医療を世界に発信することを目標としています。
※上記記事は2026年6月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

原宿わたなべ歯科診察所 渡邉 仁史 院長 (HITOSHI WATNABE)
原宿わたなべ歯科診察所 渡邉 仁史 院長 (HITOSHI WATNABE)
- 出身地:横浜市
- 趣味:大切にしている革靴を磨くこと
- 好きな場所:車の中、診療室
- 好きな映画:「生きてこそ」、「ショーシャンクの空に」
- 好きな音楽:氷室京介、小沢健二、フリッパーズギター
- 好きな本:「八甲田山」
- 座右の銘:「努力はして当たり前」

