オザサ歯科医院 小篠 一雄 院長 (KAZUO OZASA)
『神奈川歯科大学』を卒業後、大学院に残って研鑽を積み、卒業後は一般の開業医のもとで勤務いたしました。昭和58年8月、生まれ育った戸塚の地に『オザサ歯科医院』を開院し、以来40年以上にわたって地域の皆様の歯の健康を支え今に至る。(JR横須賀線 東戸塚駅 徒歩12分)
人に使われない仕事への憧れから、歯科医師の道へ

歯科医師を志したきっかけは、人に使われない職業に就きたいという思いでした。父が医者をしていたこともあり、進路を考える際には自然と医学部か歯学部かという選択肢の中で考えるようになっていました。小さい頃から歯医者に通う機会も多く、医療そのものが身近な存在だったように思います。実際に歯学部に入って学んでみると、それまで患者として受けていた頃のイメージと大きなギャップを感じることはありませんでした。今振り返ると、当時は今ほど機械や設備が発達していなかった分、手先の器用さがより強く求められる時代だったように思います。私自身、比較的器用な方だったこともあり、その点は自分の特性とよく合っていたのではないかと感じています。開業の場所を戸塚に決めたのも、やはり生まれ育った地元であったことが大きな理由でした。当時の歯学教育は今とはかなり異なるものでしたが、それはそれで学びの多い、面白い時代だったように思います。
1日80人を診た時代から、対話を重視する診療へ
開院した頃は、今よりもずっと多くの患者さんにお越しいただいていました。ユニット3台を使い、常に3人の患者さんが入れ替わり立ち替わりという状態で、1日に80人、90人を診ることもありました。当時を思い返すと、あの頃どのような治療をしていたのか、今となっては不思議なくらいの忙しさでした。ゆっくりお話しする余裕もなかなか持てませんでした。時代とともに歯科医院の数も増え、また長く診療を続けてきたことで通ってくださる患者さんの数も自然と落ち着き、お一人お一人にかけられる時間が少しずつ増えていきました。今では、患者さんの話をよく聞くことを何よりも大切にしています。こちらから一方的に治療方針を決めるよりも、患者さんのご要望を伺いながら進める方が、結果として満足のいく治療につながり、信頼関係も深まっていくと実感しています。
地域とともに年を重ね、かかりつけ医であり続けること

開院当初、この辺りは若いご家族が多いマンション群で、小さなお子さんのいる世帯がたくさんいらっしゃいました。それから30年、40年という月日が経ち、お子さんたちは巣立ち、その親御さん世代が年を重ねて通ってくださるようになりました。医院に来られる患者さんの年齢層も、当院とともに上がってきたような感覚があります。開設当初は自費診療を中心にと考えていた時期もありました。しかし人数の多さから街の歯医者として歩むことになり、今ではそれが何よりも自然な形だと感じています。設備の面では、インプラントのような高額な機器を新たに導入することはせず、長年慣れ親しんできた機械で診療を続けています。患者さん同士も近所づきあいの延長で顔なじみになることが多く、同じくらいの年代の方が多いこともあって、待合室では自然と会話が生まれ、ちょっとしたコミュニティのような空気ができています。受付のスタッフと世間話をすることを楽しみに来てくださる方も多く、そうした「話ができる歯医者さん」であり続けたいと思っています。
入れ歯治療と、遠方から通ってくださった患者さんとの出会い
現在、来院される患者さんの年齢層から考えると、入れ歯に関するご相談が最も多くなっています。以前のように前歯を綺麗に見せる治療よりも、入れ歯の作り直しといったご相談が増えてきているように感じます。長く診療を続けてきた中で印象に残っているのは、紹介を通じて北海道や栃木など遠方から通ってくださった患者さんたちです。中には数日間こちらに滞在しながら、義歯や被せ物の治療のために通われた方もいらっしゃいました。患者さんが別の患者さんを紹介してくださり、わざわざ遠くから足を運んでくださったことは、今でも大変ありがたく、印象深い出来事として心に残っています。
定期的な健診を、皆様の毎日の習慣に
昔に比べると虫歯そのものが減ってきており、小学校の健診でもほとんど虫歯が見られない状況になっています。虫歯に対する予防の意識は、この数十年でずいぶん広まってきたと感じます。一方で、年齢を重ねるにつれて生活習慣に伴う歯の疾患も気になるところですので、痛みがなくても定期的な健診を習慣にしていただければと思います。当院では三ヶ月から半年に一度程度のペースでお声がけをしており、定期的に通ってくださる方は歯の状態も安定していて、治療自体もほとんど必要のない状態で終えられることが多いです。歯医者は行きづらいと感じる気持ちもよく分かりますが、少しの負担で痛い思いをせずに済むのであれば、それに越したことはないと思います。もし仕事を退いた後には、トレッキングのような趣味を楽しんでみたいという思いもありますが、それまでは今の現状を大切に、地域の皆様に寄り添った診療を、細く長く続けていきたいと思っています。
※上記記事は2026年7月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

