おおばデンタルクリニック 大場 精太郎 院長 (SEITARO OBA)
急患にはすぐ駆けつけ、世間話で緊張をほぐす。祖父の背中を追い、戸塚の地で20年以上、地域に寄り添う歯科医療を届けている
祖父の背中を追いかけて、歯科医師の道へ

歯科医師を目指した一番のきっかけは、祖父の存在でした。両親は歯科とは違う職業でしたが、近くで祖父が歯科医師として歯科医院を営んでおり、幼少の頃からその姿をよく見ていました。母に連れられて週に何日か、買い物のついでに祖父の医院を訪れるのが見慣れた光景で、自分の生活の中に歯科医院というものが半分くらい入っていたように思います。子供の頃は特に虫歯もなく、歯で困った記憶はありません。それでも心のどこかでは「もしかしたら自分も歯科医師になるのかな」という思いがずっとあり、それが目指すきっかけになったのだと感じています。特別な出来事があったわけではありません。ただ、幼いころから繰り返し見てきたその背中が、いつの間にか自分の進む道を決めていたのだと思います。祖父の医院を身近に見て育った日々は、今振り返っても自分の原点だと言えるものです。あの光景こそが、自分を歯科医師という道へと導いてくれた一番大きな理由です。その思いは、大学に進学してからも形を変えながら、今の自分の中に息づいています。
学びを重ねるほど見えてきた、歯科医療の奥深さ
大学に入ってからは、勉強も実習も講義も、それまで祖父の医院を眺めながら思い描いていたものとはすべて違っていました。歯科医師を目指し始めた頃に比べて非常に奥が深く、歯科医師としてやっていくにはこれだけ学ばなければならないのかと痛感したのを覚えています。勉強を重ねるごとに、こうしたプロセスを経て歯科医師になっていくのだという現実味が少しずつ増していきました。手先については、皆さんが言うほど得意というわけではないと思いますが、ものを作ること自体は好きで、集中して取り組むことにかけては人一倍だという自覚があります。患者さんのためにも、そして自分自身が納得できるものを作りたいという思いから、治療においても妥協はせずに取り組んできました。現在は一般歯科を中心に診療していますが、これから少子化が進んでいく中では、矯正、歯並びといった分野がより大事になってくると感じています。子供の数が減っていく今だからこそ、一人ひとりとしっかり向き合いながら、歯並びを整える矯正には大きな意味があると考えています。
縁がつないだ戸塚での開業、地域に根差した歩み

戸塚区の歯科医院で7年ほど勤務医として経験を積み、この辺りの土地勘があったことから、できればこの近くで開業したいと考えて物件を探していたところ、たまたま今の診療所の物件に出会い、開業に至りました。この辺りは小さなお子さんからご年配の方まで幅広い世代が一緒に暮らす地域なので、世代を問わず地域に密着した歯科医療を届けることを一番大切にしています。極端な話、急患で電話をいただいたときにすぐ診るという対応をとても大事にしていますし、お孫さんの話のような何気ない世間話を交わす時間も、患者さんの緊張をふっとゆるめてくれる、大切なひとときです。この地域で20年以上診療を続けてきたことで、地域の方々に寄り添いながら痛みを取り除くお手伝いができていると感じています。この辺りは駅に近い賑やかさと、少し歩けば農地が広がる緑豊かな風景とが同居しているところも魅力で、半分ほどが農家という土地柄もあります。穏やかで人懐こい患者さんが多いことも、この場所で長く診療を続けてこられた大きな理由の一つだと思います。
医療ビルならではの安心と、信頼で結ばれた患者との絆
診療所は医療ビルの中にあり、月に1回、ビル全体でミーティングを行っています。下の階のクリニックで歯の具合が悪くなった方をこちらで診たり、逆にこちらで体調を崩された方に下の階を案内したりと、ビル全体が一体となって患者さんを診られることが良いところだと思います。足腰の弱いご年配の方にとって、移動せずに他の科を受診できるのは大きな利点です。院内には歯科衛生士が1名、助手が4名おり、歯科医師である妻も一緒に診療にあたりながら、ご年配の方には入れ歯・歯周治療を中心に、お子さんには予防・フッ素塗布を中心に、年齢に合わせた治療を行っています。この辺りは穏やかな方が多く、少し行くと農家もあり、野菜を持ってきてくださる患者さんもいるような、温かい土地柄です。10年か15年ほど前に病気で3ヶ月ほど入院した際には、代診の先生などに診療を頼らざるを得ませんでしたが、そのとき「私は先生に診てもらいたいから、退院するまで待つよ」と言ってくださる患者さんもいて、地域の方々に信頼していただいていることを実感しました。歯科医師としてこれほど嬉しいことはなく、今でも診療に向き合うたびに背中を押してくれる出来事です。
これからも地域と共に、一人ひとりに寄り添う歯科医療を
今後も地域密着の姿勢を大切にしていきたいと考えています。現在も学校歯科医として小学校の健診に携わっており、子供たちに少しでも歯への興味を持ってもらいたいという思いがあります。また、ご年配の方々とも、これまで以上に交流を深めていきたいです。今後は足が悪く通院が難しい方や、連れて来てくれる方がいないという方も増えていくと考えられるため、少しずつ取り組んでいる訪問歯科にもさらに力を入れていきたいと考えています。知らない歯科医師が自宅を訪れるのはハードルが高く感じられるものなので、これまで通ってくださっていた患者さんのもとへ私自身が伺うことで、安心していただけたらと思っています。急患への対応やちょっとした世間話を交わす時間など、これまで大切にしてきたことも、変わらず守り続けていきたいと考えています。子供たちが歯に興味を持つきっかけをつくること、ご年配の方々と言葉を交わす時間を大切にすること、そして通院が難しい方のもとへ自ら足を運ぶこと。こうした一つひとつを地道に積み重ねながら、これからも戸塚の地域医療に貢献していきたいと思います。
※上記記事は2026年8月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

おおばデンタルクリニック 大場 精太郎 院長 (SEITARO OBA)
おおばデンタルクリニック 大場 精太郎 院長 (SEITARO OBA)
- 出身地:東京都
- 趣味:マラソン、野球、バイク
- 好きな場所:京都の寺院仏閣・庭園
- 好きな音楽:洋楽(レゲエ、R&B系)
- 好きな映画:スター・ウォーズ、ロッキー

