coexistence(コーエグジスタンス) 馬場 友里恵 代表 (YURIE BABA)
学校卒業後一般企業にて従事。20代半ばで結婚・出産を経て、子育てが落ち着いたタイミングで独立し、2024年に横浜市鶴見区馬場に『coexistence』を開業し、今に至る。(JR鶴見駅 馬場二丁目 東高校前 徒歩3分)
保護犬との出会いが教えてくれた、「助けられていた」という気づき

小さい頃から実家で犬を飼っており、常に動物のそばにいる子ども時代を過ごしました。実家の犬はブリーダーから迎えた子で、それが当たり前だと思っていたのです。自分の家庭を持ち「また犬と暮らしたい」と考えたとき、身近に保護犬を迎えた友人がいたことが今の道に至るきっかけです。その子の生い立ちを聞くうちに「困っている子の手助けができるなら」という気持ちが芽生え、犬種へのこだわりもなく1頭を迎えることにしたのです。最初は「この子を助けよう」という思いで迎えましたが、いざ一緒に暮らしてみると、助けられていたのは自分の方だったと気づかされました。その実感を表す私の好きな言葉が「保護犬を助けたつもりでも、助けられたのは自分でした」です。ただそばにいてくれるだけでありがたく、この子たちのおかげで今まで知らなかった世界が見えるようになりました。犬中心の生活になり、これまでとは少し違った生活スタイルになりましたが、それ以上に与えてもらっているものが多く、私にとって大きなターニングポイントになっています。
動物との共生を願って開業した『coexistence』
20代半ばで結婚し、子どもが生まれ、子育てが落ち着いたタイミングで独立を決意し、『coexistence』という屋号で開業しました。屋号には、動物たちと一緒に生きていくという意味を込めています。共生や共存を表す言葉を探していたときにこの言葉に出会い、名づけました。現在は、お客様のご自宅に出向いてのドッグトレーニングと、自宅で行うペットホテルの二本柱で活動しています。特に力を入れているのは、保護犬や元野犬など、繊細で怖がりな性格の子たちのサポートです。自分自身が保護犬の里親になった経験があるからこそ、同じような不安を抱える飼い主さんの力になりたいという思いで続けています。
「1日1匹」限定だからこそ届けられる安心

ワンちゃんにも、人と同じように様々な性格の子がいます。怖がりな子や繊細な子には、時間をかけて向き合うことが何より大切だと考えています。ペットホテルを1日1匹限定にしているのは、お部屋の広さの都合に加えて、一頭一頭ときちんと向き合いたいという思いからです。うちに来る子は怖がりな子が多く、すぐに懐いてくれるわけではないため、焦らず時間をかけて接するよう心がけています。一般家庭の自宅でペットホテルを運営しているところは多くありません。私自身の犬や子どもがいる普通の家庭環境なので、ワンちゃんが普段過ごしているお家に近い状態で過ごしてもらえます。動物の専門学校を卒業し、愛玩動物飼育管理士やペットセーバーといった資格も持っていますが、なかでも特に徹底しているのが脱走対策です。元野犬の子は驚くほどの身体能力を持ち、普通の仕切りを飛び越えたり、壁に穴を開けて逃げようとしたりすることもあります。私自身も元野犬を飼っていた経験があり、その経験を安全対策に生かしています。
「良い意味で無視」というワンちゃんとの向き合い方
ワンちゃんとの接し方でよくお伝えしているのが、「良い意味で無視をしてあげてください」ということです。これは怖がりな子に限らず、元気な子にも共通する心がけだと考えています。可愛いからとつい見つめたり手を差し伸べたりしたくなりますが、ワンちゃんにとってはそれが大きなプレッシャーになります。犬の世界では、目を合わせることが敵対心を示す合図にもなるためです。お客様のご自宅にお伺いするときも、お預かりする子が来たときも、あえて無視をして、その子から近寄ってきてくれるまで待つようにしています。自分から喜んで寄ってくるフレンドリーな子であれば、触れ合ってあげてよいと思いますが、そうでない場合は、相手のタイミングを待つことを心がけます。
ためらう飼い主さんに届けたい、一歩を踏み出す勇気
利用してくださるお客様は、私のトレーニングを受けたワンちゃんが、飼い主さんのお出かけのタイミングでそのままホテルに泊まりに来てくれることも多いです。1番遠い方では、金沢八景や東京から生徒さんのワンちゃんが泊まりに来てくれたこともあります。お客様は私と同世代の40代前後の方が比較的多く、お子様の手が離れたご家庭という印象を受けます。トレーニングでは、無駄吠えや散歩中の引っ張り癖の改善といったご依頼が多いです。怖がって散歩に出られない子や、保護犬を迎えたけれど信頼関係の築き方が分からないというご相談も多く受けています。私が直接ワンちゃんに触ることはあまりなく、飼い主さんにアプローチ方法をお伝えして実践していただく形が中心です。飼い主さんの意識が変わるだけで、ワンちゃんの行動が大きく変わることも少なくありません。最初は机の下や部屋の隅に隠れてしまう子たちが、私の目の前でお腹を出して眠ってくれたり、少しずつしっぽを振って近づいてきてくれたりする瞬間は、本当にやっていてよかったと感じます。怖がりな子や元野犬、脱走の心配があるワンちゃんを飼っていると、「他人に預けるなんて無理だ」と思い込んでしまいがちです。私自身もかつてそう考え、出かけられずに不自由な思いをした経験があります。同じ悩みを抱える飼い主さんの力になれたらと思い、この事業を始めました。どうぞご自身のワンちゃんを信じて、一歩踏み出していただけたらと思います。
※上記記事は2026年8月に取材したものです。時間の経過による変化があることをご了承ください。

coexistence(コーエグジスタンス) 馬場 友里恵 代表 (YURIE BABA)
coexistence(コーエグジスタンス) 馬場 友里恵 代表 (YURIE BABA)
- 出身地:神奈川県
- 趣味:かき氷巡り、ライブ鑑賞
- 好きな場所:愛犬と行く海や山
- 好きな音楽:Mrs. GREEN APPLE
- 好きな映画:オールジャンル
- 好きな本:犬に関する本
- 好きな言葉:保護犬を助けたつもりでも、助けられたのは自分でした

